幼いころに読んだ【まんが世界昔ばなし】の

『青ひげ』という話が怖すぎて、強く印象に残っています。

IRONNA HITOシリーズを作るにあたり、

「どんな人をつくろうか」と候補を並べていく中で、

気づくと自然に、この記憶に立ち戻っていました。

青ひげに限らず、

暗がりで何かを見てハッとする

→ 場面が切り替わる

→「あ、たぶん見た人はもう……」

という展開は、物語や映画でよく見かけます。

その“あるある”の感覚を表現したくて、

立場として想像しやすい、メイドにしました。

このキーホルダーでは、

彫刻の色をできるだけ黒く仕上げています。

暗い場所で、

ランプの光だけに照らされて、

顔と手がぼんやり浮かび上がる。

その空気感を出すために、

あえて通常とは違う彫刻の仕方を採用しています。

このキーホルダーだけ、

レーザー彫刻の方法を少し変えています。

レーザーと素材の距離を通常より離すことで、

発色が焦茶ではなく黒に近い色になります。

昔、工房で働いていたときに

同僚が偶然見つけた方法で、

ここぞという時に使っています。

焦点がずれるため、彫刻は少しぼやけますが、

暗がりに浮かぶ目撃メイドには、

その“欠点”がちょうどよくはまりました。